ИЛЬЯ ЧЛАКИ - インテンシヴ・レターズ――とある集中治療室の会話―― (Интенсивные письма)

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              И Л Ь Я   Ч Л А К И

    インテンシヴ・レターズ――とある集中治療室の会話―― (Интенсивные письма)

    高柳聡子訳

    (二幕の喜劇)

    登場人物
    マリア
    エディータ
    ピョートル
    フランツ
    トーマス
    クラウス
    オーベルハイムさん
    クラインシュミットさん
    ファーナーさん
    アレクサンドル
    ミリアム
    スレイマン
    ヨハンナ
    ボリス
    ギーゼラ
    ロルフ
    カール
    ヘリムート
    判事
    被告人
    ユルゲン
    若い娘
    踊り子たち
    歌い手たち

    舞台のほんの最初のうちだけ、この幕が夜の出来事だと観客が分かる程度にぼんやりとした灯りが点っている。すでに最初の舞台設定で色が用いられており、場面が展開するにつれ豊かになっていく。
    役者たちは、ずっとベッドに横になっていることはない、彼らは、話している内容や、思い出している話に合わせて自由にふるまえばいい。登場人物たちの話のうちのいくつかは、非常に詳細に描き出せる、例えば、映画や映像のように。登場人物が非常に多いので、なんなら、一人の俳優が、二役、あるいは複数の役を演じてもいいだろう。

    第一幕

    夜。病院。集中治療室。ぼんやりとした灯りが灯っている。

    1.    マリアとエディータ


    マリア:しーーぃ、しーぃ、静かに、静かにね。もう痛くないわ、痛くないわよ。
    エディータ:痛いわ。
    マリア:すぐにひくわ。
    エディータ:痛いわ。
    マリア:すぐよ、すぐだから…。
    エディータ:ところで、あなた誰?
    マリア:誰でもないわ…ただの…お母さんよ。
    エディータ:あたしのお母さん?
    マリア:そりゃあ、そうよ…。あんたのよ、当たり前じゃないの、あんたのよ。
    エディータ:いいえ、あなた、誰かと間違えてるんだわ。あたしのママはだいぶ前に死んだんだもの。あたしが17歳のときだったわ。あたしの誕生日の日に死んだのよ。想像できる? あたしには誕生日、でもママは死にかけてた。私はあのときひどく気が動転してたわ。少し怒ってたのかもしれない。だってお客さんも招待していたんだもの、ママと二人でたくさん料理を用意してたの。あたしの好きな人が来ることになってたのよ。そうしたらママが急に…。あたし、大きな声でママに言ったのよ、「ママ、テーブルクロスをかけて」って。返事は――ドスンっていう大きな音。部屋に駆け込んだら、彼女が床に倒れてたの、大の字になって、しゃがれた声を出してた。あたし、そばに駆け寄って、「どうしたの?」って聞いたわ。でも、ママは喘ぐようないびきみたいな呼吸をしてた。その瞬間、息を引き取ったの。もう息をしてなかったけど、でもあたしは聞き続けたの、「ママ、どうしたの? ねえ、ママ、どうしたの?」って。怖かったわ、って具合よ、あたしは17歳だったのよ。ものすごく誕生日がやりたかった。だって…好きな人がいたのよ…ハンサムで、肩幅が広くって、見るからにアメリカ人だったの…彼と結婚したかった、ものすごくしたかったの…。こう思ってたわ、マイケルと結婚する、彼は私をアメリカに連れて行くわ、私はおとぎ話の世界に行くの、みんなが英語で話しているのよ…ってね…。お客さんたちがやって来たわ。マイケルもね。お祝いが始まったの。友達のカトリンが小さな声で聞くの、ママはどこにいるの?って。ママは、そこにいたといえばいたのよ、置きっぱなしにしてたの。出かけたわ、って答えた。飲んで、食べて、踊って。あたしはマイケルといちばんたくさん踊ったわ。素敵なパーティだった、楽しくって。彼ね、あたしに指輪をプレゼントしてくれたの。それは、もっと後で、二人きりになってからのことだけどね。朝、目が覚めたら、こう言ってくれたの、これを君に、記念だよって。それから指輪を渡してくれたの。安物の、三文の値打ちもないやつよ、シルバーでさえないんだから。でも私にはダイヤより素敵に見えたわ。朝食を食べてったわ、それからもう二度と彼を目にすることはなかった。妊娠しなくてよかったわ、とにかくいい男だったの。
    マリア:で、あたしはどうなったんだい?
    エディータ:ママはね、隣の部屋のベッドの下に隠しておいたの。ありったけのぼろ布でくるんでね…。ずっと死んだままだったわ…。あたし、ちょっと心配だったのよ、あたしとマイケルが寝てるときに、だってあたしたちはそのベッドで寝てるわけじゃない…ママの上で、ってことよ…。ベッドはひどくギシギシいってたし。あたしずっと思ってたの、もしかして死んでなくって、意識が戻って、ベッドの下から飛び出してきて、あたしたちがやってるのを見たとしたら、って…。修羅場になるわ…。意識は戻らなかったけどね。マイケルが帰ったあと、あたしは彼女をベッドの下から引きずり出して、広い部屋まで引きずっていって、元の状態にしたの、それから医者に電話したのよ。医者が来て、彼女を見るなりこう言ったわ、「亡くなったのは今ではありませんね」って。このセリフにあたしがどんだけ驚いたことか、心臓が口から飛び出してしまいそうだった、でもおくびにも出さなかったわ。「かもしれません。今ではなくて、夜のうちだったかもしれません。目が覚めたら、倒れていたんです…」っていうと信じたわ。でももし信じてくれなかったとしたら。でもね、冷静に考えたのよ、だってあたしが殺したわけじゃないんだもの、勝手に死んだんだから、それ以上言えることはないって。それからママのお葬式をしたわ。大声で泣いたわ。ベッドのギシギシを思い出すたびに涙が出るの。ギシギシは何年もあたしの心を苛んだわ。
    マリア:だろうね…
    エディータ:ママも失くした、結婚相手も捕まえ損ねた。
    マリア:ああ、娘よ。
    エディータ:なに、ママ…
    マリア:おまえはいい娘だったよ。
    エディータ:ママはあのとき死んでたの?
    マリア:死んでたさ、もちろん、死んでましたとも。
    エディータ:じゃあ、何も聞こえなかった?
    マリア:なにがだい?
    エディータ:お客さんたちが来たのとかよ? 音楽は? あたしとマイケルがベッドで寝てたのとか?
    マリア:聞こえないよ、なんにも聞こえなかったよ、寝てたのなんか聞こえやしなかったね。
    エディータ:聞こえなかったのね?
    マリア:シーツの擦れる音すら聞こえなかったね。
    エディータ:ベッドのギシギシは?
    マリア:聞こえないよ、エディータ、なんにも差し支えなかったよ、ギシギシも全然気にならなかったよ。
    エディータ:やっぱり、聞こえてたのね…
    マリア:エディータ…

    マリアは立ち上がり、ベッドの足元にぶら下がっている表を見る。

    マリア:エディータ…
    エディータ:ママ! ママなの?! 本当にママなのね?!
    マリア:ああ、もちろんさ、あたしだよ。他に誰がおまえのところに来るっていうんだい? あたしほどおまえを愛してる人なんていやしないよ、いやしない。
    エディータ:ママ! あたしもママを愛してるわ。いつだって愛してたわ。ずっとママのことを思ってたの。ベッドの下に突っ込んでたときも…そのあともずっとよ…。ママ、あたしのこと怒ってない?
    マリア:なんてこというんだい、あたしのかわいいエディータ。
    エディータ:どうか怒らないで、お願い! あたし、ママにたいしてすごく恥ずかしいと思ってるの!
    マリア:だいじょうぶだよ、だいじょうぶ、おまえは結婚したかったんだもの。
    エディータ:でも彼は逃げたわ。
    マリア:しかたのないことさ、神の思し召しだもの。
    エディータ:ママ…ねえ、教えて…
    マリア:別の男を見つければいいさ。
    エディータ:ううん、そのことじゃないの。あたし、死んだの?
    マリア:なんてバカなことを言うんだい!
    エディータ:あたし死んだのね。
    マリア:くだらないこと言うもんじゃないよ。
    エディータ:じゃあなんでこんなことが起こるのよ――あたしが死んでないのに、ママが見えるなんて?
    マリア:おまえは病院にいるんだよ。
    エディータ:ええ。
    マリア:集中治療室だよ。
    エディータ:ええ。
    マリア:ありとあらゆる薬とか麻酔とかがあるのさ…
    エディータ:麻薬も?
    マリア:そういうもののおかげでコンタクトが取れるのさ。
    エディータ:ママ、でもママは若いうちきに死んだじゃないの。どうして老けているの?
    マリア:おまえは質問ばっかしだね! もしあたしが老けてなかったら、おまえはあたしのことを孫だと思って、ママって呼ぶこともできないだろうよ。
    エディータ:そりゃそうね。
    マリア:そうに決まってるよ。
    エディータ:あたしも、こんな歳になっちゃったわ。
    マリア:そうだねぇ、エディータ。
    エディータ:ママ、どこにもいかないでね。
    マリア:あたしはここにいるよ。
    エディータ:薬の効き目が切れてもよ…
    マリア:どこに行かないよ。
    エディータ:絶対に行かないでね!
    マリア:おまえのそばにいるよ。
    エディータ:なんでもっと早く来てくれなかったの? すごく会いたかったのに!
    マリア:おまえの願い方が足りなかったんじゃないかい。
    エディータ:そんなことができるって信じていなかっただけよ。教会に行ってるときだって、信心が足りなかったくらいだもの、ママの言うとおりよ、足りなかったんだわ。ただ惰性で通ってただけ、惰性で祈ってただけ。祈りながら、頭の中ではくだらないことばっかり考えてたわ――子どもたちのことやら孫たちのことやらひ孫たちのことやら。
    マリア:ちょっとは気分がよくなったかい? もう痛くないかい?
    エディータ:とてもいい気分よ、ママには想像もできないでしょうけど…だって、夢にも見なかったくらい幸せなんだもの…。
    マリア:おまえはひどく疲れているんだよ。
    エディータ:違うわ、全然疲れてなんかいないわ。ママと一緒にいるのが好きなのよ!
    マリア:横におなり、休まないと。
    エディータ:ママ?! どこにも行かないって約束したわよね、ママ!
    マリア:どこにも行きやしないよ。すぐに戻るから、おまえは少し休みなさい。横になってお眠り。心配しなくていいから、あたしはここにいるだろ、おまえが寝ているあいだ見ててあげるから。ね、分かったかい?
    エディータ:お願いだから、どこにも行かないで! お願い! ママ! 分からないわ、分からない!
    マリア:あたしはここにいるよ! 目をつぶるんだよ、もう休まなきゃ!
    エディータ:つぶるから、でもどこにも行かないで!
    マリア:はい、はい。
    エディータ:子守唄を歌ってよ、ママ。
    マリア:なんだって?
    エディータ:ママの歌を聞くの、すごく好きだった。
    マリア:エディータ、あたしにはもう声がないんだよ。
    エディータ:歌って。
    マリア:耳もないんだよ。
    エディータ:ママの耳は素晴らしかったわよね、声もね。ママ、あたしのそばに座ってよ…もっとこっちに来て…。
    マリア:目をつぶりなさい。

    マリアがエディータのベッドに腰掛け、子守唄を歌い始める。